トキとは
トキはどんな鳥か?
体長は約75㎝、翼開長は約140㎝のペリカン目トキ科の鳥です。
全身がほぼ白色ですが、翼や尾羽等の裏側は、朱鷺色と呼ばれる独特の淡橙赤色です。(非繁殖期)。
顔は皮膚が露出した朱色で、下に湾曲した黒いくちばし(先端は赤)を持ち、後頭部にはやや長い冠羽があります。
なお、非繁殖期は全身がほぼ白色ですが、繁殖期には首すじから黒い分泌物が出て、これを体に塗り付けるため、頭、翼、背の部分が灰黒色になります。
また、幼鳥は全身ほぼ灰色で、翼の裏面は淡黄色、顔は黄色です。
特別天然記念物、国際保護鳥、絶滅危惧ⅠA類(CR)(環境省レッドリスト)、ワシントン条約附属書Ⅰ掲載。
詳しくはトキ保護センター または パンフレット2ページをご覧ください。
日本のトキ生息状況
野生絶滅まで
狩猟による乱獲等で、大正時代の終わりには日本のトキは絶滅したと思われていましたが、隠岐島、能登半島、佐渡島などで再発見されました。
昭和初期に能登、佐渡で数十羽から百羽程度が生息していたと言われています。
戦後、佐渡では、営巣地を保護区に設定したり、地元の人たちによる給餌活動や棚田(餌場)の維持作業が行われましたが、生息数は漸減し、昭和50年代に入ると、10羽を割るまでになりました。
昭和50年(1975年)以降、野生繁殖が確認できない状況から、環境庁は残る5羽を昭和56年(1981年)に捕獲しました。その後十数年間にわたり人工繁殖によるトキ増殖を試みましたが、繁殖には至りませんでした。
なお、平成15年(2003年)10月には、日本産最後のトキ「キン」が亡くなりました。
日本のトキが減少した理由として、狩猟による乱獲、森林伐採等による生息環境の悪化、個体の高齢化等による繁殖力の低下などが考えられます。
再び野生復帰へ
日本でのトキの繁殖が急速に進み始めたのは、平成11年(1999年)からです。
この年、中国からつがいのトキ「ヨウヨウ・ヤンヤン」が贈られ、初めてのヒナ「ユウユウ」が誕生しました。
翌年及びそれ以降の年においても順調にヒナが育ち、平成19年(2007年)には、佐渡トキ保護センター(野生復帰ステーション含む)の飼育羽数は、100羽を超えるまでになりました。
さらに、同年平成19年(2007年)には野生復帰ステーションで野生復帰に向けた順化訓練が開始され、平成20年(2008年)9月に初めて10羽を放鳥し、以降毎年放鳥が行われております。
令和6年(2024年)末時点で、推定576羽のトキが野生下で生息しています。
トキ保護の歴史・放鳥トキ情報
※トキ保護の歴史については、環境省ホームページやパンフレット4ページをご覧ください。
放鳥トキの最新情報については、環境省佐渡自然保護官事務所公式Twitter 及び環境省佐渡自然保護官事務所公式Facebook をご覧ください。